足りるを知る

お早うございます。

 

今日は5月21日の日曜日。

時間は4時42分です。

 

5月も下旬になり、だいぶ季節が変わりましたね。

我が家でも、ストーブは片づけて扇風機を出しました。

先週は、木曜日に夏日になり、場所によっては猛暑日になったところもあったようですね。

でも、週末は天気が逆戻りをして、ストーブは使わなくてもいいですが、扇風機の出番はありません。

 

さて、今日は「足りるを知る」について考えてみたいと思いました。

人間は、自分の生きている環境に無限の欲望があるようで、常に便利で快適な環境を望んでしまいます。

私の生まれた昭和30年代は現在のような生活環境ではありませんでした。

まして、私は田舎の農家で生まれましたから、家に冷蔵庫も無かったです。

当然、エアコンや自動車もなく、小学校に入るまでは、祖父に自転車に乗せられて移動したことを覚えています。

以前にも書いたかも知れませんが、私は生まれてすぐに何らかの原因で仮死状態になったようです。

多分、病院に入院するでもなく自宅に開業医が往診に来て診察をし、若干の蘇生処置をしたのではないかと推察します。

何故なら、母親は完全に諦めたと言っていました。

病院に入院するという処置は検討材料に無かったのでしょう。

今、考えれば恐ろしい環境ですよね。

こうやって生きている事は奇跡に近いのかもしれません。

母親はよく「なんの障害もなく生きていることが不思議」と言っていました。

脳障害がでてもおかしくなかったのでしょう。

母親が言うには、仮死状態は10分程度だったそうです。

つまり、10分間は脳に酸素も血液も流れなかった事になっていたのでしょう。

その当時であれば、死んでしまってもおかしくない状況だったと思います。

しかし、私はこうして生きながらえ、65歳を迎えようとしているのです。

しかも健康な状態で。

 

私の生まれたところは、1日に数本のバスが通るだけの田舎でした。

家から見えるのは田んぼだけで、移動手段は自転車かバイク、殆どが徒歩でした。

私の家は最寄のバス停から歩いて5分程度でしたが、母親の実家は最寄りのバス停から歩いて30分も掛かる所でした。

年に何回か、母親の実家へ行くのですがバス停から歩くのが辛かったことを今でも覚えています。

私の家には白黒テレビがあり、小学校に行く前からテレビを良く見ていました。

同年代の方だけでなく、ちょっと前に話題になった「ひょっこりひょうたん島」は大好きなテレビ番組でした。

たぶん、虚弱体質だったんでしょう。

外で遊ぶより、家にいてテレビを見たり本を読んだりして遊んでいた記憶があります。

よく覚えているのは積み木遊びが好きで、動物の積み木を買ってもらい動物園を作っていました。

像の積み木の鼻が折れてしまい、悲しんだ記憶が残っているんです。

 

そして、小学校2年生の時に我が家のテレビはカラーテレビになり、ウルトラセブンをカラーで見た時は嬉しかったことも、忘れられない記憶です。

ウルトラセブンは銀色と赤なんだ。」と初めて知り、興奮したことも覚えています。

そして、冷蔵庫が家にきて製氷された氷を口に入れた時の冷たさや扇風機の涼しい風に喜んだこともはっきりと覚えています。

農家でしたので、エアコンなんてものはあっても何の役にも立たなかったでしょうね。

障子と木の雨戸でしたので、隙間風が平気で入ってきますし、時には1m位の蛇が家の中に貼ってきた事もありました。

プロパンガスでガスコンロを使うようになったのは、小学校4年生位だったかなと思います。

お風呂は薪で沸かす五右衛門風呂でした。

皮膚も弱かったのでしょうか、誰も入っていない湯に入るとじんましんができてしまい、浴用剤を入れてから出ないと風呂に入ることが出来なかったことも覚えています。

一度だけ、浴用剤を入れないお風呂に入ってしまい、全身にじんましんが出来てしまい、病院へ連れて行ってもらって、注射を打たれたことも記憶しています。

いつの間にか、そんな症状は出なくなりましたけど。

 

現在は、当時から考えると素晴らしい環境になっています。

自宅には大画面の薄型テレビがあり、エアコンが各部屋に設置され、電子レンジなどの調理器具。

欲しいものは何でも手に入ります。

医療技術も進歩し生活環境も変わり、平均寿命も延びました。

だけど、本当に幸せになったのでしょうか。

確かに幸せです。何の不満もありません。

でも、この幸せは物による幸せかなと思います。

今迄は、より良い生活環境を手に入れるため

に一生懸命に働いてきました。

そして、定年を迎え今迄のように夢中で働く必要が無くなったのです。

生活にゆとりがある訳ではありませんが、自分の時間も大切にしながら働くという事を考える時期になってきたので、今回の「足りるを知る」事を意識して、どうしたら満足のいく定年後の時間を過ごせるかを改めて考えてみたいと思いました。

昔を懐かしむ事も大事でしょうし、生き方を振り返り考えてみる時間も大事だなと思ったのです。

私の人生、あとどのくらいの時間があるかは解りませんが、これからの時間を有意義に使い「足りるを知る」事を考えてみたいと思います。

 

庭に咲いていたクジャクサボテンの花です。実物はもっときれいな色をした花ですが、今回は黄色、赤、青、黒の4色だけで描いてみました。