「宅建業」って、どんな業種?

では、先週の回答から始めることにしよう。

先週は下記の問題を出題した。

 

問 宅地建物取引業者Cは、宅地又は建物の売買に関連し、兼業として、新たな不動産管理業を営むこととした。この場合、Cは兼業で不動産管理業を営む旨を、免許権者である国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

(H29年 問36-3)

 

回答は、「誤り」である。

宅地建物取引業者宅地建物取引業以外の事業を行っている場合の、その事業の種類は、変更があったとき届け出なければならない事由(宅建業法9条)に含まれない。したがって、Cは、新たに不動産管理業を営む旨を免許権者に届け出る必要はない。

回答は、上記である。

 

宅地建物取引業」って何をするのだろうか?

 

私は、「宅地建物取引士」の資格試験を受験しようと思って、試験勉強を始めたのであるが、「宅地建物取引業」の事をきちんと理解していない。

まず、「宅地建物取引業」とは、どんな業務をする業種なのかも、あまり知らない。

知らないのに、「宅地建物取引業」に関連した「宅地建物取引士」の資格試験を受験しようとしているのであるから、おかしな話である。

そう考えると、真剣に「宅地建物取引士」を目指して受験勉強を頑張っている方に、大変、失礼な話である。(申し訳ございません)

そこで、そもそも「宅地建物取引業」とは、どんな業種で、どんな仕事をするのかを調べてみることにした。

まずは、サイト情報を検索すると、「スタディング」のサイトがトップで出てくる。

下記は、「スタディング」に掲載されている内容を、私なりに要約してみた。

 

まず、私の中で「宅地建物取引業」と「不動産業」は同じではないかと言う疑問が出た。

答えは「同じではない」そうである。

前提として、以下の2点が挙げられている。

ひとつめは、「宅地建物取引業」は「宅地建物取引業法」という法律に基づいて業務を行う業種で、「宅地建物取引業」を営むには、国土交通大臣または都道府県知事から免許を交付される必要がある。

ふたつめは、「宅地建物取引士」を雇用しなければならない。

「宅地建物取引士」は不動産の売買契約締結に欠かせない「重要事項説明」を独占で行う事が出来る資格保持者なので、「宅地建物取引業」に欠かせない資格者である。

この2点をクリアして、「宅地建物取引業」と言えるようである。

 

では、業務上の違いはあるのだろうか。

宅地建物取引業」は、宅地、戸建て住宅、アパートやマンションの売買取引や仲介(媒介)、代理業務を専門とし、不動産業は、上記以外で、マンション管理や入居者対応、マンション管理者の監督に関する事務など不動産に関わる業務を広く扱うそうである。

 

はっきり理解できたのは、「宅地建物取引業」は「宅地建物取引業法」に基づいて業務を行い免許が必要で、「宅地建物取引士」を雇わなければならないことである。

つまり、不動産業と言われる業種の中に「宅地建物取引業」があるということのようだ。

 

私がイメージしたのは、街の「不動産屋さん」だったので、理解がややこしくなったようで、本来の「不動産業」はかなり広義な解釈ができるみたいである。

 

宅地建物取引業」でも、マンション管理は行える。

 

宅地建物取引業」でも、当然、マンション管理や入居者対応、マンション管理者の監督に関する事務は行える。

こちらの業務は、「宅地建物取引業」の免許がなくても出来るので、併設して業務を行うことで、サービスを拡大することが出来る。

 

では何故、「宅地建物取引業」には免許が必要なのだろう。

 

不動産業であれば、案件の契約価格は高額になるのが当たり前であるが、特に宅地の売買、戸建て住宅、マンションの売買は高額取引になるため、顧客(一般消費者)を守るという考えから、業務を始める際に登録・免許制にして、どのような会社なのかを行政がしっかりと監理する必要性が生じたのだと思われる。

反社会的な団体が「宅地建物取引業」を行い、一般消費者に損害がでるようでは、安心して不動産を購入することが出来なくなるし、契約時に知識の乏しい一般消費者が、不利になるような契約内容で契約を履行されても、契約後にキャンセルをすることも出来ずに泣き寝入りしてしまうようでは、業界が衰退してしまうことになる。

このような弊害を食い止めるために、「宅地建物取引業」が免許制になったのではないだろうか。

 

だから、「宅地建物取引士」試験テキストでは、最初に免許についての内容が書かれている。

そのような業界独自の性格を知った上で、勉強を始めると理解が進むかも知れない。

 

では、今週の問題を出題しよう。

今週は「申請・更新・免許換え」からの問題を取り上げてみた。

 

問 個人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、免許の更新を怠り、その有効期間が満了した場合、Aは遅滞なく、甲県知事に免許証を返納しなければならない。

(出典:H28年度試験 35-1)

 

本問題の回答は、来週のブログで解説したい。